2014年09月14日

追憶池袋

 毎週火曜は仕事が早めに終わる。そして基本翌水曜が休みである。つまり火曜は外呑みに最適の晩だということでもある。

 5月20日・火曜。元「ナイタイマガジン」編集長の悪友・Mクンに連絡を取り酒席の確約を得た。場所は池袋。店は、東口ビッグカメラ裏の呑み屋小路にハコを構える「男体山」。都内で仕事を始めるようになって以来、要所ようしょでお世話になっている銘店であり、焼きはもちろんのことレバ刺しやハツ刺しなどの生食も充実している。自家製の男体山漬けもヤミつき必至の美味さである。

 職場の最寄り新富町駅から袋駅へ向かう地下鉄有楽町線の車内でMクンからのメールを受信した。所要で到着が遅れるとある。Mクンとの会話を弾ませるにも一杯ひっかけた状態がよかろうと先に「男体山」に入店。2階の小上がりに運良く席を取ることができた。

 2階には外の通りに面して大きな窓がある。そこから眺める呑み屋&風俗街が趣深く、また心地良い。ソープ・ヘルス・イメクラ・ストリップ・キャバクラ・セクパブetc…。この通りには、男子たるものが一度通過するだろう遊びの諸要素がごった煮的に詰め込まれている。19年前のナイスポ記者時代、近くにあったJK(女子高生)デートクラブの取材ついでに何度この界隈を往復しただろう…。あのころ文芸坐はまだ今のような形態ではなく、古色蒼然とした一戸建ての小劇場だった。隣には木造のこれまた古式ゆかしい喫茶店があり、そこで取材帰りによくアイスコーヒーを頼んだ。銅製のマグカップに注がれたアイスコーヒーの美味さと歴史の重みを感じさせる場内の造作は未だ記憶に鮮明だ。

 20年弱の歳月の中で無くなってしまったものは当然多い。線路沿いにあった東口駅前の古書店や中古レコード店。東口繁華街にあった中古レコード店。西口駅前の古書店。西口・東口のあちらこらに点在したキャバクラ。そして東口の呑み屋小路・人生横丁…。今のブクロ(池袋)には自分の居場所などもうどこにもないのではないか? そう思い慄然とする。

 合流したMクンともそんな話題に華を咲かせた。盛り上がるほど別れがたくなり「男体山」ラストオーダー後、やはりこの小路沿いにある「桃太郎寿司」の暖簾をくぐった。

 この店にも思い出がある。ナイスポ記者時代、池袋にあった某ホスト店の取材を呑み過ぎてキツいからとすっぽかし、広告担当営業マンの顔を思い切りツブしてしまったことがあった。その穴埋めにと彼を招待し、勘定すべて自分持ちで酒食をふるまった店がこの「桃太郎寿司」だった。あの時分に比べると場内の造作は随分変わってしまったが、忘れ難い思い出を刻んだ店が今もその場所で同じ名で営業を続けているのは嬉しい限りだ。

 「男体山」では、酒を自分が、瓶ビール(サッポロ赤星)・黒ホッピーの中さんおか(わり)。つまみは二人で、レバ刺し・男体山漬け・冷奴・モロ胡。串焼きメニューからカシラ・シロ・軽焼きレバー・ししとう・銀杏を2本ずつ。レバー以外はすべて塩で頼み、一人あたま締めて3,500円。

 「桃太郎寿司」では、酒を自分が角ハイボール2本。つまみを二人で、えんがわ・サーモン・握り2カンを4種類(レシートには品名が記されていなかった)・お通しで一人あたま締めて2,000円。

 なんか感傷的な一夜になってしまった。これも5月だからなのか?

 今日のお題は“追憶池袋”にする。
posted by 彦左小路郎 at 22:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 池袋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月16日

燗酒感傷

 5月24日・土曜。仕事が早く終わったので、いつものようにJR池袋駅で下車。行きつけの北口「若大将まつしま」で一杯やる。

 酒は酎ハイ3杯・燗酒一合。「まつしま」の燗酒は“ちろり”で供される。これを受け皿付きのコップに各自が適量を注ぎ呑むというわけだ。たとえ中身がなんであれ、この体裁だと酒がより滋味豊かに感じる。僕にとって、居酒屋は外観・内観同様に、酒を注ぎつまみを盛る器も重要なのだ。

 つまみはゲソ焼きにカキフライ・まぐろ串焼きに甘海老刺し。「まつしま」の刺身は他のメニュー同様に税込み325円である。しかし味にぬかりはない。この甘海老刺しは、5年前の「AVFREAK」時代に会社の営業マンIサンと同店で呑んだ際にIサンが頼んだ逸品。最初は“余計なもん頼みやがって”と思ったが、一口食べてみてその美味さにびっくりしたのを昨日のように覚えている。

 甘海老刺しを肴にしんみりちびりちびりとやる燗酒。ふと外を見れば、入店時はまだ明るかった池袋の街が薄暮に覆われていた。オレもこのへんでお開きとするか。

 この日は締めて2,600円なり。燗酒と甘海老のせいでなんとなく感傷的になった春の宵…。なんか後ろ向きだな、最近オレ。

 今日のお題は“燗酒感傷”にする。
posted by 彦左小路郎 at 00:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 池袋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月19日

金目漬け

 薬のおかげで、5月に発疹したジンマシンは以降ぴたりと止まった。仕事はまだわからないことだらけ。社員数が多い職場なので、顔と名前が一致していない人もたくさんいる。まぁ、時と経験が解決してくれるだろう。いつまで置いてもらえるかもわからないし。

 5月26日・月曜。仕事はほぼ定時(20時30分)に終わった。しかし、有楽町線は各駅停車なので、地元に着くまで1時間半は優にかかる。つまりみずほ台到着は早くても22時ということになる。

 行きつけの西口「大(ビッグ)」の暖簾をまたしてもくぐる。5月はこれで4回目である。ふじみ野店にも一度顔を出している。“もしかしたらオレはアルコール依存症なのだろうか?” ふとそんな不安も胸中をよぎる。しかし、手先がふるえたりはないので、赤塚不二夫先生(ファンなのだ)の境地にはまだ達してないと踏んでよかろう。晩年の先生は、依存症の弊害で手先がふるえて思うように下絵を描けなかったそうだ。

 なんてことを、空いていれば定席と決めているカウンター9卓に腰を掛け考える。すると、手始めに頼んだ定番の黒ホッピーセットが運ばれてきた。お通しはなんと金目鯛の醤油和え。いわゆるヅケである。これは日本酒に合わせること決め、ホッピーには串焼きメニューからハツを2本塩で貰い充てる。野菜不足を補うためほうれん草のおひたしも加えた。

 黒ホッピーは当然焼酎の中身をおかわり。ハツとほうれん草をアテに呑み切るといよいよ日本酒である。銘柄を指定せずに日本酒を頼めば「大」で出てくるのは清酒・大関。これを冷やで、つまり常温で一合注文。白地の徳利とお銚子には、紺色の極太明朝“大関”の文字が刻印されておりまさにシンプルイズベスト。酔うといつも持って帰りたくなるのだな。

 金目鯛だけでは足らない気がしたので、生物メニューからたこブツも注文。黒ホッピーのおかげで職場での緊張が抜けた心身へさらに大関一合が染み渡りこれぞほろ酔い気分。地上からイスごと漂っていくような浮遊感がなんとも心地良い。もう少し呑んでいきたくもあったが、ラストオーダーはとぉに過ぎており、時すでに23時。オレもそろそろおひらきにするか。

 この晩は締めて2,110円なり。腹八分目の酒席というか、本当ならばこのくらいがちょうどいいのだろうな。

 今日のお題は“金目漬け”にする。
ラベル:大 みずほ台店
posted by 彦左小路郎 at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 埼玉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月20日

未知の友

 今の職場は、水曜・日曜が通常“現場休み”にあたる。そして、その前日の火曜・土曜はだいたい早めに仕事が終わる。5月27日・火曜。この日も、いつもより早めに終業のタイムカードを押すことができた。呑むか。

 有楽町線・池袋駅で下車。行きつけの北口「若大将 まつしま」を訪ねる。入口を背にして左手のカウンター隅に腰をかけ、まずはウイスキーハイボール。つまみは、325円均一のメニュー群からゲソ塩を注文した。

 5月に入り外呑みの回数が一気に増えた。当然酒量もである。理由は…まぁいい。何度も書くが、懐を気にせず呑む日々に戻れたのだから。今はそれだけでも良しとせねばなるまい。

 ただ、仕事に忙殺され、ブログ更新に時間を取れないのが口惜しいと言えば口惜しい。5月の呑みを9月に書くのは4ヵ月の時間差が出るということである。それだけ開きがあれば記憶の鮮度は当然落ちる。文章の臨場感という点で劣る面が出るのはどうしても否めない。現場の造作・メニューをカメラに撮らえたり呑みの断片をメモしていればまた違ってくるのだろうが、その酒場の居心地・呑み心地が自分の置かれた状況にどう影響し、自分をどう変えてくれるのかを綴るのが「居酒屋どっちつかず」。カメラやメモに気を割くのなら、その分五体・五感で雰囲気に浸りたい。撮ることも書くことも読むことも酒場ではご法度が自分の流儀なのだ。

 文章の臨場感は、より熟成された文章を書く心算でなんとか補っておきたい。ゆえに、“地元の居酒屋がスルメのような味わい深い文章で登場するので大変楽しませていただいています!”というコメントをいただいたときは本当に嬉しかった。こういう励ましも貰えるのだからこのブログはまだまだ辞めるわけにはいかない。辞めるつもりもない。

 酒はウイスキーハイボール4杯。つまみはゲソ焼き・手羽塩焼き・メンチカツで締めて2,215円なり。

 今日のお題は“未知の友”にする。
posted by 彦左小路郎 at 22:40| Comment(1) | TrackBack(0) | 池袋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月22日

居酒流儀

 5月度における自分の外呑み回数は尋常ではない。休日・平日関係なく、池袋「若大将まつしま」やみずほ台「大」に頻繁に足を運んでいる。

 何故か? んことはどうでもいい。平日に外で呑む回数が多いということは、当時は勤務時間にまだ都合が付き終業が早かったということでもある。

 5月30日・金曜。この晩も仕事は順調に片付いた(気がする)。すべて各駅の有楽町線はそのぶん乗車期間が長いが、それでも、みずほ台一杯やっていくくらいの余裕はある。行くか。

 というわけで「大」である。みずほ台には、気の利いた居酒屋が駅前にあまりない。夜10時過ぎに訪ね、1時間ほど過ごせる店となるとそれこそ皆無に近い。どうしても、費用対効果に長けた勝手知ったる「大」の暖簾をくぐることになってしまう。実際いい店だし。

 この晩通されたのは奥から数えて7番目のカウンター。保冷庫越しに、焼きや煮物に専念する料理人諸氏の姿がよく見える。それがまた恰好の肴になる。手始めは黒ホッピーセット。付き出しはコンソメスープ風味の肉ジャガ。同店ではよく見る逸品である。

 前回更新分でもふれたが、自分はいわゆる“ながら呑み”はしない。新聞を広げる・雑誌をめくる・スマホを弄るはNG。そもそもスマホは持っていない。

 その分当日の酒場の雰囲気を五体で捉えたい。ホッピーに入った焼酎の濃さやお通しが出るタイミング・店員諸氏の接客・隣りに座る酔客の様子等々…。

 これらが一体となって形成されるそれこそ一期一会の場内の雰囲気が、仕事や諸々の雑事に翻弄され疲弊した自分の心身をどう高揚させ一変させてくれるか? その推移を実感し、堪能するのが自分の流儀なのだ。

 串焼きメニューから鳥ねぎを2本塩で貰いこれをアテに最初のホッピーを呑み干すと、当然中いちおか(わり)。疲れゆえ身体が欲っしているのか? 無性に酢の物が食べたくなりもずくも注文。これとツナはんぺんで2杯目のホッピーをたいらげ勘定は締めて1,910円なり。小腹が空いたの近場にある「麺屋くらら」に寄る。レモンサワー・枝豆・純とんこつラーメンで1,340円なり。

 今日のお題は“居酒流儀”にする。
posted by 彦左小路郎 at 21:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 埼玉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月24日

五月終焉

 5月31日・土曜。この晩も勤め帰りにみずほ台「大」へ。カウンター5卓に腰かけ、まずは黒ホッピーを注文。お通しはさつま揚げと鶏肉の煮込みとでも言うのか? 廉価メニューからは自家製の厚揚げも頼み独酌を開始する。

 にしても5月は同店でよく呑んだ。家計簿をひもとけば、みずほ台店で5回・ふじみ野店で1回の計6回。その他には池袋「若大将まつしま」で4回。同じく池袋「男体山」で1回。鶴瀬「忠八」で2回。川越「いっしょうけんめい」で1回。練馬「金ちゃん」で1回。全部合わせて15回。う〜む…。

 やはり生活環境の一新が影響していたのだろう。その急変に心身が追い付かず、無意識のうちにもストレスを感じ、その発散と慰安を求め居酒屋の暖簾をくぐる。ジンマシン再発という厄介な出来事もあった。

 定職に就けたといっても正規雇用ではない。いつクビを切られても文句は言えない立場ではある。実際、今の職場の前に1カ月契約で務めた都内某印刷所における校正業務は、大学教授の論文に赤字を入れ過ぎたのが(おそらく)原因で中途解雇されかかった。

 カウンターに頬杖をついて行く末を考えることが最近は増えた。なんだかんだ言ってももう若くない。昔の職場仲間に会う。皆が皆、中年太りのメタボ体型である。ある者は髪が薄くなっている。またある者は白髪だらけになっている。つまりそれだけ年を取ったということである。当然自分も…。

 足かけ14年所属したナイタイを給与未払いの会社都合で辞めたのは2008年のことである。そこからまだ6年しか経っていない。それなのにもう10何年も昔のように感じるのは、それだけその間に色々あったということなのか。いや、実際あったのだ。苦しいことや悲しいことばかりが…。

 数々の厄介事も酒を呑んでいるときだけはやり過ごすことができる。これからどんな艱難辛苦が待ち受けようと“人生は山あり谷ありだよな”と楽観視する自分が現れる。まぁ、その分翌日がヘビーで特に2年前は参ったが…。
 
 酒は黒ホッピーセットの中1おか(わり)・ウイスキーハイボール。つまみは厚揚げ焼き・塩つくね2本・ほうれん草おひたし。締めて2,090円なり。小腹が空いたので「麺屋くらら」に寄り醤油ラーメンを食べる。レモンサワーも呑んだ。1,060円なり

 今日のお題は“五月終焉”にする。
posted by 彦左小路郎 at 00:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 埼玉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月27日

六月開始

 6月2日・月曜。この晩は20時45分に終業のタイムカードを押した。寄り道さえしなければ22時20分前には地元みずほ台駅に到着していることになる。

 すっかり行きつけとなった「大」みずほ台店の暖簾をくぐる。5月の外呑み納め同様に6月の外呑み始めもまた同店になってしまった。

 それでいい。カウンターの7番卓に腰を下ろし黒ホッピーセットを注文。お通しは春雨サラダのホワイトソース和えである。

 家計簿(主婦の友社刊「365日のおかず家計簿」2014年版)をひもといてみると、この夜は自宅における飲食の記載がない。つまり晩飯がてら「大」に立ち寄ったということでもある。

 にしては、つまみは串物メニューから鶏ネギとハツを塩で各2本・隠元のゴマ和えのみでずいぶんと少ない。酒は中を一杯おかわりし、ベン・ネヴィスベースの“ビッグ ハイボール”も一杯いただいている。締めて税込2,090円なり。チェックアウトは23時12分であった。

 勤め帰りの酒はこのくらいがちょうどいい。一杯引っかけたというのはこういう際に使うフレーズなのだろう。明日への活力を養えた気がする。

 今日のお題は“六月開始”にする。
ラベル:大 みずほ台店
posted by 彦左小路郎 at 10:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 埼玉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月28日

昭和功罪

 6月3日・火曜。この日は、人生の師でもあり仕事の恩人でもあるカメラマン・飛鳥 翔氏と、武蔵野線・北朝霞台駅ガードレール沿いに所在する「なかちゃん」で旧交を温める。前日の晩にメール連絡をいただいたのだ。前回氏と呑んだのは3月25日のやはり火曜。ところも同じこの「なかちゃん」であった。

 あれから3か月。その間に自分の境遇は激変した。3月25日の時点では、都内某印刷所における一カ月契約の校正作業勤務を終えた直後で基本職無しの身。レジャー誌のフリーライター稼業で得るわずかな原稿料が糊口をしのぐ唯一の糧となっていた。

 そこから4月に入り、再び電車往復する勤め人に自分はなる。定収入を得て生活基盤は確かに固まったが、逆に自身の時間をどう取りどう使うか? 今はそのやりくりに追われている。仕事にも職場にもまだ完全には慣れていない。

 毎週火曜は仕事が早上がり。17時35分に終業のタイムカードを押し、大江戸線・築地市場駅へ急ぐ。月島で有楽町線に乗り換え、東武東上線・朝霞台駅で下車。待ち合わせの武蔵野線・北朝霞台駅改札で師と合流し徒歩5分弱、通い慣れた「なかちゃん」の暖簾をくぐった。

 炭火をくべた七輪の網の上にホルモンを乗せてじっくりとあぶる。ホルモンから滴る脂が炭にかかれば、その度に香ばしい匂いが卓上に立ち込め、ときに炎が網を焼く。酒は手始めに瓶ビール。「なかちゃん」はこの瓶ビールをキリン一番搾り・アサヒスーパードライ・サッポロ黒ラベルと常時3種類用意しており、この中から自分たちはいつも黒ラベルをいただく。黒ラベルを2本空けたらホッピーに突入というのが同店における呑みの流儀だ。

 師に今の仕事のことを話す。なんと、亡くなられた師のお父上も生前はその仕事を定職にしていたという。幼少時はお父上に手をひかれ現場によく連れていかれたという。飯時に食堂に入ると、勤務時間中にもかかわらず陽の高いうちから酒をかっくらい、注文を取りにくる女子店員の尻をなでたり卑猥な言葉をかけたりする輩の多さにびっくりしたという。セクハラなんて言葉はまだ存在しなかった時代である。

 昭和には功罪が相半ばする。“やること(仕事)やっているんだから”と男の粗暴なふるまい看過され、いきおい女性がモノ扱いされ社会的地位も低かったことは確かに昭和の“罪”だろう。今の職場には、女子社員が男子社員と同じまるでセンスの無い作業着着用を義務付けられ、上司から男子社員を呼ぶように名前で呼び捨てされる旧態依然としたところが確かに残っている。喫煙マナーの悪さやトイレの汚れも気にかかる部分ではある。

 一方で、未だエレベーターのない(!)古びた鉄筋コンクリート建てビルの壁に広がる染みや階段に入ったひび、社内に飛びかう符牒(業界用語)や実年社員の卓上に置かれたそろばんに何やらほっとした気分を覚えるのも確かだ。スマホなど本来は仕事に必要でもなんでもなく無駄な手間ひまや要らない業務を増やすだけとばかりに手垢で黒光りしたダイヤル式電話を未だ使い続ける心意気を粋に感じるとでも言おうか。

 新しければそれが絶対的に正しいのか? IT化によって失われてつつあるものにこそ、人間が人間らしく生きるのに必要なことが宿っているんじゃないか? そんなアンチテーゼを、今の職場は存在自体が主張しているようにさえ時々感じる。ささいな“罪過”以上に多大な“功績”を湛えてそこに屹立している。つまり昭和プロレスと同義である。

 話題が飛躍し、そんなテーマを師と語りつつ3時間強呑み食べ続けた。酒は自分が瓶ビール2本・黒ホッピーセットの中いちおか(わり)・レモンサワー2杯。つまみは二人でレバ刺し×2・ホルモン盛り合わせ×2・イカ・厚揚げ・お餅。勘定は一人あたま4,850円なり。

 今日のお題は“昭和功罪”にする。
posted by 彦左小路郎 at 01:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 埼玉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする