2014年09月30日

仕事とは

 6月4日・水曜。勤めが休みなので前夜(飛鳥 翔氏との呑み)の疲れを癒すため休肝日に充てようと考えていたが、そうは問屋がおろさないとばかり悪友・Mクンより連絡あり。メールを見ると、“とにかく早い時間からじっくり話したい”ことがあるという。こういう誘いは絶対に断らないのが自分の流儀であり美学だ。18時に東武東上線・志木駅で待ち合わせの旨を返信、行く先はホルモン焼きの銘店「鳥三」。Mクンと訪れるのはこれが初めてである。

 ちなみに、この日はレジャー誌「ワイプラス」のギャランティーの最後の振り込みがあった。自分が一番好きで打ち込める文筆で収入を得、それで生活を支えてきた日々とはこれで当分おさらばである。フリーの立場で同誌に携わるようになって丸1年。月収は多いときでも10万円そこそこ。なので、経済的にはかなり苦しく、金銭面でほうぼうに迷惑をかけ精神的にかなりヘビーだったりもした。

 一方で、純粋に自分の原稿が評価され編集部の信頼を得て仕事を定期的に貰って、その結果自分の文章が媒体の形になって書店に並ぶという物書き冥利に尽きる快感を味わえた1年だったのも確かだ。「ワイプラス」編集部のS女史に『カッコいいホストのカッコいい写真には星野さんの原稿が必要なんです』と言われたときは本当に嬉しかった。自分が一番好きなをことをやって人様から称賛される。文章を書いて“〜さんだけ”“〜さんしか”“〜さんじゃなきゃ”“〜さんなら”って言ってもらえる。これを幸せと言わずして何を幸せと言おう。

 振り返ってみれば、ナイタイに入社した1994年以降から今日まで、そんな幸せを噛みしめながら僕は生きてきた。自分で企画を考え、自分でフォトグラファーやデザイナーを手配し、自分の足で現場に赴き、自分で誌面を編集し、入稿・校正を経て一冊の媒体が出来上がる。徹夜が続く締め切り前の苦しみもその早刷りを見ればすべて報われた気になる。いや、実際に報われた。そこには、他の誰でもない“自分”の仕事が確かに結実していた。他の誰にも作れない誌面・他の誰にもかけない文章。つまり“オンリー ワン”の自分が。

 この喜びを味わってしまったら、他のどんな高収入の仕事もつまらなく味気なく見えてしまう。仕事とは金銭の多寡ではない。他の誰でもない自分を生かし、その上で、周囲の人たちにとって、僕自身がどれだけ唯一無二の存在になれるか。自分を殺して組織に隷属して得る高収入など価値はない。“今はまだ”心底そう思う。それがこれからどう変わるかわからないが。

 Mクンの“じっくり話したいこと”とはそんな仕事についての相談だった。自分を生かすべきか? それとも殺すべきか? 生かすとしたらどう生かせばいいのか? 等々…。 僕があがいているように彼も悩んでいる。みんな風に吹かれている。

 酒は僕が生ビール2杯・角ハイボール4杯。つまみは二人でレバ刺し3人前・ホルモン盛り合わせ3人前。シロ・豚トロを1人前ずつ。箸休めにお新香で一人あたま5,781円なり。

 今日のお題は“仕事とは”にする。
ラベル:志木 鳥三
posted by 彦左小路郎 at 10:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 埼玉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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