2014年11月13日

軽く一杯

 “赤提灯で軽く一杯引っかける”。そんな呑み方に憧れがある。自分でもそれを実践しようと暖簾をくぐる。しかし、一杯のつもりが二杯になり、それが三杯目になるころには“軽く”という意識がどこかに飛んでしまう。いきおい、長っ尻になりほろ酔いを通り越して泥酔。二日酔いの不快感と自己への嫌悪感で、翌日は少なくとも午後4時ぐらいまでは鬱っ気を引きずることになる。

 6月12日・木曜。勤めを終え、地元駅に降り立ったときプラットホームの時計に目をやる。まだ夜10時半に達していない。「大(ビッグ)」ならば小一時間はゆっくりできるだろう。やるか…。

 もうすぐラストオーダーなので長っ尻は不可能。持ち合わせも乏しく、財布を開けば中味は2,000円ぽっきり。つまり、必然的に“軽く一杯引っかける”呑み方しかできないことになる。

 暖簾をくぐりカウンターの4番卓に肘をつく。お通しはポテトサラダ。これは意外に日本酒に合うので冷や(常温)で一合をとも思ったが、費用対効果を考えてここは黒ホッピーセットを注文。串焼きメニューから砂肝も塩で2本頼んだ。

 定職に就き電車に揺られる日々が再び始まってから9か月が過ぎた。定職に就くということは定収入が得られるということでもある。少なくとも当座の生活の心配はこれでなくなった。

 一方でそれと引きかえに失ったものもある。読書する時間・思索する時間・表現する時間。表現する時間とはつまりブログを更新する時間である。

 フリーライターで食いつないでいた頃は金の無い代わりに時間はたんまりあった。古本屋で購入した夏目漱石や志賀直哉を近場のカフェで読み耽る。当然そこからは様々なことが学べる。何を見て、何を感じ、何を取り入れ、何を咀嚼し、何を捨て、何を血肉化するか。

 もちろん単語も学べるし文章も学べる。だからブログの更新にも熱がこもる。2011年〜2013年のブログは、ライヴドアだろうがFC2だろうが、このシーザーだろうが客観的に読んでも面白い。

 いい文章を書いて生活の糧を得て、その達成感を肴に酒を呑み明日への活力を養う。そうやって続く生活が理想だし、そこにいい音楽(音学)があれば文句はない。でも今は(この更新分だってだれだけの時間差があることか)…。

 焼酎中をおかわりし、ほうれん草のおひたしをつまみに呑み干し勘定を済ませてレシートを貰う。退店は夜11時25分。締めて1,400円なり。
 
 今日のお題は“軽く一杯”にする。これなら明日は爽快…ならいいが。
ラベル:大 みずほ台店
posted by 彦左小路郎 at 23:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 埼玉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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