2014年11月25日

乱歩偉大 ブクロ満喫 その1

 中身の濃い一日だった。

 6月15日・日曜、Webスクール時代の友人Eさんよりメール連絡あり。「水曜(18日)か金曜(20日)に江戸川乱歩邸に行きませんか?」とある。

 あまりにも唐突なことなので最初は何が何やらわけがわからなかった。が、よくよく聴いてみると、推理小説の始祖・江戸川乱歩が終の住処にした豊島区・池袋の旧邸宅が、“大衆文学研究センター”の名のもと当時そのままの状態で今も保存されているらしい。Eさんはそこを訪ねてみないかと自分を誘ったのである。

 異論はない。18日・水曜がちょうど仕事休みなので、その日午後一時に、池袋駅・西口近くの交番前でEさんと待ち合わせることにする。

 6月18日・水曜。予定通り午後一時に池袋西口交番前でEさんと落ち合い、その足で、江戸川乱歩が戦前の昭和9年から享年・昭和40年まで住み続けた旧乱歩邸こと“大衆文学研究センター”に向かう。要町通りを丸井方面に直進し立教大学へ。目指す乱歩邸は、その立大の正門を過ぎて一つ目の角を右折したところにあった。閑静な住宅街に所在するモダンな洋館といった趣。奥には有名なあの“土蔵”もあり、20,000冊を超える蔵書は書庫ごと管理されているという。建物自体の保存状態も良好。これならば元祖コレクターの乱歩も本望だろう。

 乱歩ほど進取の気性に富み新しい価値観を積極的に作品へ反映させた作家はいない。多くの文豪がやがて絡め捕らわれていった“日本人らしさ”だの“男らしさ”だのとははなから無縁だった人。ゆえにいわゆる純文学とは一線を画した探偵小説というジャンルの“文楽(がく)”を創造し、時流を超え今現在においても強い影響力と高支持を堅持し続ける。漱石がビートルズなら乱歩はディヴィッド ボウイだというのが僕の持論だ。邸の軒下に設えたスクリーンには、そんな乱歩が当時の最新型映写機で撮影した16ミリフィルムのカラー動画が上映されている。

 邸内に入れはしなかったが、乱歩の偉大な足跡は十分に体感できた。なので来たことに悔いはない。満ち足りた思いで僕らはセンターを後にしたのだった。(つづく)
posted by 彦左小路郎 at 00:52| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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